日本を代表する広告代理店「博報堂」。
その華やかなイメージの裏側には、どのような年収水準や働き方があるのでしょうか?
本記事では、博報堂の平均年収や役職別・年代別の年収目安、初任給、福利厚生、実際の労働時間や口コミまで、気になる情報を徹底的に解説します。
これから就職や転職を考えている方はもちろん、業界研究にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
博報堂の平均年収・中央値はいくら?業界内の位置付けも解説!
まずは、博報堂の年収水準について全体像を押さえておきましょう。
広告業界の中でも高水準とされる博報堂の年収は、どの程度なのでしょうか?
また、ライバル企業との比較や年収偏差値もご紹介します。
平均年収
博報堂の最新の平均年収は1,092万円(2025年3月期、平均年齢41.4歳)です。
この数字は親会社である博報堂DYホールディングスの有価証券報告書に基づいており、国内でもトップクラスの水準となっています。
直近数年の推移を見ると、2024年3月期は1,158万円、2023年3月期は1,276万円と、年度によって変動はあるものの、いずれも1,000万円を大きく超えています。
このような高い年収水準は、広告代理店業界の中でも際立っています。
また、年収偏差値で見ても83.6(41歳・年収1,092万円の場合)と非常に高く、同年代の中でも「勝ち組」といえる待遇です。
業界内での位置づけ:高い(同業比較の一言メモ)
博報堂の年収水準は、広告業界内でもトップクラスです。
最大手の電通(1,508万円/2024年12月期)には及ばないものの、サイバーエージェント(882万円/2024年9月期)など他の大手を大きく上回っています。
このため、博報堂は「高年収企業」として転職市場でも非常に人気が高く、年収面での満足度も高い傾向にあります。
博報堂の年収推移(過去7年)
ここでは、博報堂の平均年収・平均年齢・従業員数の推移を一覧でご紹介します。
年による変動やトレンドを把握することで、今後の見通しもイメージしやすくなるでしょう。
| 年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 2025年3月期 | 1,092万円 | 41.4歳 |
| 2024年3月期 | 1,158万円 | 41.3歳 |
| 2023年3月期 | 1,276万円 | 43.9歳 |
| 2022年3月期 | 1,036万円 | 43.2歳 |
| 2021年3月期 | 1,090万円 | 43.9歳 |
| 2020年3月期 | 1,079万円 | 43.6歳 |
| 2019年3月期 | 1,065万円 | 43.4歳 |
| 2018年3月期 | 1,089万円 | 43.7歳 |
出典:博報堂DYホールディングス有価証券報告書
年代・職種・役職別の年収目安
博報堂では、年齢や役職によって年収が大きく異なります。
ここでは、年代別・職種別・役職別の年収目安を詳しく解説します。
年代別(20代/30代/40代/50代)
博報堂に新卒で入社し、順調に昇進した場合の年収イメージは以下の通りです。
25歳で600〜750万円、30歳で900〜1,000万円、35歳で1,300〜1,400万円、40歳で1,600〜1,800万円、45歳・50歳では2,000万円以上(評価次第)となっています。
この水準は、同年代の平均年収を大きく上回っており、30歳前後で年収1,000万円に到達するのが一般的です。
特に、30代以降は評価や役職によって年収の伸びが大きく変わるため、成果主義的な側面も強いのが特徴です。
職種別(例:開発/営業/コーポレート)
博報堂の職種は主に営業(ビジネスプラナー)、クリエイティブ、コーポレートなどに分かれます。
営業職は新卒の約7割を占め、プロジェクトの推進やクライアントとの折衝が主な役割です。
営業職の場合、20代で600〜750万円、30代で900〜1,000万円、40代で1,600万円以上が目安となります。
クリエイティブ職やコーポレート職も同等の水準ですが、プロジェクトの規模や評価によってインセンティブの差が出ることもあります。
また、中途採用の場合は経験やスキルによって年収レンジが大きく異なり、400〜700万円程度からスタートするケースも見られます。
役職別(一般/主任/係長/課長/部長)
博報堂の役職ごとの年収イメージは以下の通りです。
エントリー(1年目):500万円
アソシエイト(2〜7年目):500〜1,100万円
ディレクター(7年目以降):1,200〜1,800万円(評価次第)
部長:2,000〜3,000万円(全体の約1/10が昇進)
局長:3,000万円以上
ディレクターまでは比較的横並びですが、部長以上は評価や実績によって大きな差がつきます。
また、昇進スピードや評価によって年収の伸び方も変わるため、成果を出し続けることが高収入への鍵となります。
初任給・新卒1年目の年収
新卒で博報堂に入社した場合の初任給や1年目の想定年収について解説します。
学部卒/院卒の月給・賞与・想定年収
博報堂の新卒1年目の基本給は月額30万円(年額360万円)です。
手取りは約23.7万円となり、賞与は1年目はほとんど支給されません。
残業代を含めた1年目の想定年収は約450万円となります。
院卒の場合も同等の水準が想定されますが、配属や評価によって若干の差が生じることがあります。
モデルケース(残業月30h想定)
新卒1年目で残業が月30時間程度の場合、残業代を加味すると年収は約450万円が目安です。
賞与は2年目以降から本格的に支給されるため、1年目は基本給+残業代が主な収入源となります。
また、2年目の終わりまでは残業代が支給されますが、4年目以降は裁量労働制に移行し、みなし残業となる点にも注意が必要です。
賞与・昇給・インセンティブ
博報堂の賞与や昇給、評価制度について詳しく見ていきましょう。
支給回数/目安月数/評価軸・等級制度の概要
博報堂の賞与は年1回(6月)に支給され、目安は基本給の約3か月分です。
評価制度は、期初に立てた目標の達成度や会社への貢献度、収益、役割、短期・長期のビジョンなど多角的な観点から決定されます。
直属の上司だけでなく、他の上司からの評価も重視されるため、チームワークや社内での信頼も重要です。
昇給は役職や評価に応じて行われ、特にディレクター以降は成果主義的な側面が強くなります。
手取り額の目安(年収1,092万円・単身)
高年収の博報堂ですが、実際の手取り額はどの程度になるのでしょうか?
税金や社会保険料を差し引いた実質の収入をシミュレーションします。
月次/年次の概算手取り(控除の簡易内訳)
年収1,092万円(41歳・単身)の場合、年間の手取り額は約782万円、月あたり約65万円となります。
主な控除内訳は、所得税約97万円、住民税約72万円、健康保険約55万円、厚生年金約71万円、雇用保険約6.5万円、介護保険約8.9万円です。
この水準は同年代の平均と比べても非常に高く、生活の選択肢が広がる水準といえるでしょう。
福利厚生・待遇
博報堂では、給与だけでなく福利厚生や働き方の面でもさまざまな制度が整っています。
ここでは、休暇制度や金銭面のサポート、キャリア支援について解説します。
休暇・働き方(有給取得率/在宅・フレックス)
博報堂の有給取得率は94.0%(2023年度)と非常に高い水準です。
また、近年はリモートワークやフレックス制度も導入されており、柔軟な働き方が可能になっています。
育児休暇や産休の取得率も高く、男女問わずキャリアとプライベートの両立がしやすい環境が整備されています。
金銭系(退職金/住宅手当/持株会/年金)
博報堂では、退職金制度や住宅手当、企業年金、社員持株会など、金銭面の福利厚生も充実しています。
特に、住宅手当や家賃補助は首都圏勤務の社員にとって大きなメリットとなっており、長期的な資産形成をサポートする仕組みも整っています。
育成・キャリア(研修/公募/異動制度)
キャリアアップ支援にも力を入れており、各種研修や社内公募、異動制度などが充実しています。
若手のうちから多様なプロジェクトに関わることができ、成長機会が豊富です。
また、中途採用比率も47.7%(2023年度)と高く、外部からの人材登用にも積極的です。
博報堂は激務?労働時間の実態
「広告代理店=激務」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ここでは、博報堂の実際の労働時間や残業の状況について解説します。
平均残業時間/みなし残業の有無/休日日数
博報堂の平均残業時間は月33.5時間(2023年度)です。
以前は月50時間程度が標準でしたが、働き方改革の影響もあり、近年は短縮傾向にあります。
2年目の終わりまでは残業代が支給されますが、4年目以降は裁量労働制となり、みなし残業となります。
休日日数は年間120日以上が確保されており、ワークライフバランスも徐々に改善されています。
ただし、プロジェクトの繁忙期やクライアント対応によっては、時期によって忙しさに波がある点は留意が必要です。
口コミ・評判
実際に博報堂で働く社員の声をもとに、年収や働き方に関するリアルな口コミをまとめました。
年収に関する良い口コミ
「30歳で年収1,000万円を超えることができ、同年代の友人と比べても圧倒的に高い水準だと実感しています。」
「評価がしっかりしており、成果を出せば若くして高収入を得られる点が魅力です。」
「福利厚生も充実しており、安心して長く働ける環境が整っています。」
年収に関する悪い口コミ
「ディレクター以降は昇進が厳しく、部長や局長クラスになれるのはごく一部。年収が頭打ちになることも。」
「4年目以降は裁量労働制となり、残業代が出なくなるため一時的に年収が下がるのがつらい。」
「激務な時期があり、体力的にきついと感じることもある。」
採用大学の傾向
博報堂は難関大学出身者の採用が多いことで知られています。
2024年度の採用実績では、慶應義塾大学(46人)、早稲田大学(32人)、京都大学(9人)、上智大学(8人)、立教大学(7人)など、難関大学が上位を占めています。
東京大学や一橋大学、青山学院大学、横浜国立大学、明治大学、北海道大学、神戸大学、九州大学など、全国の有名大学から幅広く採用されています。
学歴フィルターが存在するとの声もあり、一定の学歴基準が重視されていると推察されます。
新卒向けワンポイント(内定後すぐにやること)
内定後は、業界研究や広告・マーケティングの基礎知識を身につけておくのがおすすめです。
また、配属先によってはクリエイティブやデジタル領域のスキルも役立ちますので、興味のある分野の勉強や、社会人マナーの習得も進めておきましょう。
同期や先輩とのネットワーク作りも、入社後のスタートダッシュに繋がります。
博報堂に向いている人・向いていない人
ここでは、博報堂で活躍できるタイプ・向いていないタイプの特徴をまとめます。
- 向いている人
- 高い成果を目指し、自己成長意欲が強い人
- チームワークやコミュニケーションが得意な人
- 変化や新しいことに前向きに挑戦できる人
- プレッシャーや多忙な環境でも粘り強く働ける人
- 向いていない人
- 安定志向で変化を好まない人
- ワークライフバランスを最優先したい人
- 指示待ちタイプで自発的に動くのが苦手な人
- 激務やプレッシャーに弱い人
FAQ
Q. 博報堂の平均年収・中央値はいくら?
A. 直近2025年3月期の平均年収は1,092万円です。
中央値は公開されていませんが、平均の0.9〜0.95倍(約980〜1,040万円)と推定されます。
この推定は、日系大手企業の年収分布に基づくものです。
Q. 何年目で600/800/1,000万円に届く?
A. 年収600万円は1〜2年目、800万円は5〜6年目、1,000万円は7〜8年目(ディレクター昇進時)が目安です。
評価ランクや等級要件によって前後しますが、30歳前後で1,000万円に到達するケースが一般的です。
Q. 年代・職種で年収はどのくらい違う?
A. 20代は600〜750万円、30代は900〜1,400万円、営業職はインセンティブ込みで30代後半から1,500万円超も可能です。
クリエイティブやコーポレート職も同水準ですが、評価やプロジェクト規模によって差が出ます。
Q. 初任給と新卒1年目の想定年収は?
A. 学部卒・院卒ともに月給30万円、想定年収は約450万円(残業月30時間モデル)です。
賞与は2年目以降から本格的に支給されます。
Q. 残業時間やワークライフバランスは?
A. 平均残業時間は33.5時間/月、有給取得率は94.0%、休日日数は120日以上/年です。
働き方改革の影響で、以前よりもワークライフバランスは改善傾向にあります。

