## 1.調査目的
令和5年度に実施された大学における教育内容等の改革状況の調査は、我が国の高等教育の質的向上を目指し、各大学の教育内容や教育方法の改善状況を把握することを目的としています。具体的には、教育内容の充実、教育方法の多様化、学修成果の可視化など、大学教育の改善に向けた取り組みの実態を明らかにし、国民に情報を提供するとともに、各大学の積極的な改革推進を促す役割を担っています。これにより、大学の教育内容が時代の変化や社会ニーズに即したものとなり、学生の学びの質が高まることが期待されています。
## 2.調査方法等
調査は、国公私立の792大学を対象に実施されました。対象大学は令和5年度学校基本調査のデータを基に、短期大学や専門職大学、募集停止大学を除外したものです。調査方法は、文部科学省のホームページに調査票を掲載し、令和6年9月から12月にかけて各大学へ回答依頼を行い、回答後に集計作業を行いました。回答率は99%に達し、786大学からの回答を得ています。調査票は教育内容の具体的な改善状況を詳細に問う設問で構成され、教育課程の編成、学修成果の把握、教学マネジメント体制の整備など多角的な視点から内容を分析しました。調査データは匿名処理を施し、大学名等が特定されないよう配慮した上で公表されています。
## 3.調査結果
調査結果は、大学における教育内容等の改革が着実に進展していることを示しています。主要なポイントは以下のとおりです。
– **教育内容の充実**
多くの大学でカリキュラムの再編や新たなプログラムの導入が進み、時代の要請に即した内容の充実が図られています。特に、学際的な学びや実践的なスキルの育成が重視され、学生の主体的な学修を促す取り組みが見られます。
– **教育方法の改善**
ICT活用によるオンライン授業やハイブリッド型授業の導入が拡大し、多様な学習スタイルに対応しています。また、アクティブラーニングやプロジェクト型学習の採用が増加し、学生の深い理解と応用力の向上に寄与しています。
– **学修成果の可視化**
GPA制度の導入や基盤力テスト、自己評価ツールの活用など、学修成果を客観的に把握し可視化する仕組みが整備されつつあります。これにより、学生自身の成長を実感しやすくなり、学習意欲の向上にもつながっています。
– **教学マネジメントの強化**
教学マネジメント体制の充実が進み、教育改善のPDCAサイクルが確立されています。FD(教員研修)やSD(職員研修)プログラムにより、教育の質を支える組織基盤が強化されました。
## 4.その他
### 1 個別回答データ
調査結果の詳細分析に資するため、地域別・規模別に大学の回答内容を匿名化して公表しています。地域区分は北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄の6地域に分けており、規模区分は学部数に基づきA(5学部以上)、B(2~4学部)、C(単科大学)の3区分に分類しています。これにより、地域ごとの特色や規模に応じた課題・成果を把握可能です。
### 2 事例紹介
先導的な大学による教育内容等の改善事例も収集・公表されており、以下のような先進的な取り組みが注目されています。
– **学修目標の具体化と評価システムの導入**
立命館大学では「三つの方針」を活用したプログラム・レベルの評価計画を策定し、学修目標の達成度を体系的に把握しています。
– **カリキュラムマップの整備**
桜美林大学や山形大学などでカリキュラムマップを策定し、履修モデルや教育課程の全体像を学生にわかりやすく示す工夫がなされています。
– **学修成果の可視化ツールの活用**
共愛学園前橋国際大学では「KYOAI CAREER GATE」を導入し、学生の自己評価を促すことで学修成果を見える化しています。
– **教学マネジメント基盤の強化**
国際基督教大学や筑波大学では教学マネジメント室を設置し、教育の質保証に向けたモニタリングやプログラムレビューを実施しています。
– **情報公表とステークホルダー交流**
金沢工業大学や北陸大学などがデータを活用した情報公開を積極的に行い、地域社会や学生との交流を深める取り組みを進めています。
これらの事例は、今後の大学教育改革のモデルケースとして注目されており、多くの大学が参考にしています。
## お問合せ先
本調査に関するお問い合わせは、文部科学省 高等教育局大学振興課学務係までお願いいたします。
電話番号:03-5253-4111(内線:3411)
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## まとめ
令和5年度の大学における教育内容等の改革状況調査では、教育内容の充実、教育方法の多様化、学修成果の可視化、教学マネジメントの強化が着実に進んでいることが明らかになりました。各大学は社会のニーズに応じた内容の改善に取り組み、学生の学びの質を高めるための具体的な工夫を凝らしています。今後もこの調査を通じて、教育内容のさらなる改善と透明性の向上が期待され、大学教育の質的向上に貢献していくことが重要です。読者の皆さまには、本調査の内容を参考に、大学教育の現状や今後の動向を理解し、教育改革の意義や必要性を広く認識していただければ幸いです。
